『湖池屋流マーケ プライドポテトのV字回復は「部署横断会議」から』という記事を読みました。読んだきっかけは、会議という人と人とのコミュニケーションをどううまくみんな使っているのか、またこの記事は「最強の話し方・会議・プレゼン」という特集のひとつで、人に話すときのヒントがあるかなと思ったからです。
実際の企業が行っている会議のやり方を知って、改めて、多様性って大事なんだなと思いました。
記事の内容
◎湖池屋は日本のお菓子メーカー。ポテトチップスが有名。日本で初めてポテトチップスの量産化に成功したメーカー(Wikipedia「湖池屋」https://ja.wikipedia.org/wiki/湖池屋)
◎商品の一つに「KOIKEYA PRIDE POTETO」というものがあり、2017年2月に発売しヒット。でもリニューアルをしていく中で、人気がなくなっていった。
◎2020年2月に「湖池屋プライドポテト」というリニューアルした商品を発売し、発売後3ヶ月で、20億円の売り上げを突破。
◎そういった良いリニューアルができた、「湖池屋流会議のルール」3つ。
- 関係者を横断的に集める会議
- 経験泥棒をしない
- 意見を否定しない
記事を読んで
リニューアルによってうまくいかなくなってしまうこともあるんだなと。提供する側が良かれと思っても、その商品を使う側、買う側からすると「あれっ」ってのはあって、逆にそれがいい時もあるし(新しい使い方、イメージを消費者に与える)、今回のPRIDE POTETOみたいにうまくいかない時もある。
意見を否定しないというのは、人の話を聞くときにも大切なことかなと。ただ、放任するわけではない。(つまりは、「なんでもいいわけ」ではもちろんない)アイデアを生み出すときには、それを一つ一つ否定していってしまうと、出てこなくなってしまうので、まずは出してみることが必要。そういう意味でも、「この会議では否定されない」と心理的に安心できる状態を作る、そういう場所であることを伝えていくことは、大切なことだなと。
まえに本で読んだこと
以前に『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(アダム・グラント、三笠書房)を読んだことがあります。組織心理学者のアダム・グラントさんが書かれた本で、他にも『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』(三笠書房)も有名です。
このORIGINALSは、今までの歴史で、どんな「オリジナルな人」がいたかとか、そういった人々にどんな特徴があったか、またどうやって成功したかってことが書いてあります。
オリジナルな人っていうのは、何も革新的なアイデアを生み出す人だけでなくて、今いる環境にとっては、特異なアイデアを持っている人であったり、人と違った考え方を持っている人でもあります。
で、僕が本から学んだことのなかに、「組織には多様性が必要」ということがあります。 その理由は、組織が同じような意見を持っている人で固まってしまうと、時代や状況が変化しているときにそれに対応したアイデアを出したり、判断をすることができないからです。人間どうしても自分と同じような意見に親しみを持ってしまうし、周りが「その意見いいよね!」っていっているのに、自分だけ「いや…」ってのはなかなか言い出しづらい。 そのためにも、多様性を持つことが必要だと。
またこの多様性を持つということは、オリジナルなアイデアをいかすためにも必要で、なぜなら、オリジナルなアイデアというのは、「独特」だったり「今までと違う」からオリジナルなわけなんですが、そうすると、「いやそうは言っても」とか、「それは無理」みたいに否定されがち。
同じ本のなかに心理学者のソロモン・アッシュという人が行った実験がのってて、 内容は、
◎8人の人に被験者として参加してもらう。(1人が本当の被験者で、他7人は実はサクラ)
◎長さの異なるA ,B,Cの「線」が書かれた絵を見せる。で、ある一本の「線」を見せて、それが、A ,B ,Cのどれと同じかを質問する。 「この線と同じ長さなのは、A ,B ,Cのどの線ですか?」って感じですね。
◎何回か繰り返す。そのうち、サクラの人たちが、「明らかに間違った答え」をし始める。すると、1人の本当の被験者の人もそれに合わせて(たとえ、明らかに違うとわかっていても)、間違った答えを選択してしまう。 って感じの内容です。
被験者1人でテストしたときには、不正解は皆無だったそうで、本では『自分の答えが間違っていると知りながらも、他人の視線を恐れたのだ。』と書いています。
その対処法も書いてあって、それが1人の反対派を加えること。 同じ実験で、たとえ、サクラの7人中6人が、わざと間違った答えを選択しても、1人が正しい答え(本当の被験者が正しいと思っていることと、同じ答え)を選択すると、同調する確率は劇的に低下したそう。 つまりは、たった1人でも、自分の考えを支持してくれる人がいれば、それだけで、その考えをもとに、行動できるということ。
今回の湖池屋の会議のように、いろんな部署から横断的に人を集めることの利点は、この「1人の反対派」が生まれる可能性を高めることかなと。 別に、「反対」しなくてもいいんだけど、会議で、オリジナルなアイデアを出したときに、みんなが否定をしてしまうと、なんだか、全く良くないアイデアのように感じられてしまう。でも、実験のように、1人でもアイデアを支持してくれる人がいれば、そのアイデアが救われる可能性も高まるんじゃないかなと思いました。