どうやったら「相手に伝わりやすく話すことができるか」ということについてメモをしていきたいと思います。
これを書いている僕はポルトガル語の通訳として働いていますが、通訳というのは、外国語を日本語に変換するだけでなく、誰かのはなし・言葉を伝わるようにほかの人にわたすことでもあると思ってます。なので、どうやったら伝わりやすいかなーってのを日々勉強、実践しています。
今回の記事は、
○なんで自分の話は伝わらないんだろう
○どうやったらうまく話せるかな
って悩みがある人に参考にしてもらえたら嬉しいです。
あなたの話が伝わらない原因
○相手が「わからない言葉」を使っているから
○相手が「知らない知識」で話しているから
○話していることが、相手の頭のなかとつながってないから
といったことが考えられます。
大切なのは「相手」を考えるということです。
相手が「わからない言葉」を使っているから
人間の「わかる」という状態がどういうときに生まれるかというと、それは新しく受け取った情報と自分自身がまえから持っている情報・知識とがつながったとき。なので、本人が知らないような言葉で話してしまうと、内容が伝わらないってことになります。つまりは、ただの自分が話したいことを話すだけでは「伝わらない」のです。
相手が「知らないような知識」で話しているから
今度は話の内容のこと。
相手からするとあなたの話していることが「知らない知識」かもしれません。例えば、サッカーの話でメッシの話を誰かにするときに、相手の人は「アルゼンチン代表」のことも「バルセロナ」のことも「バロンドール」のことも知らないかもしれません。自分にとっては「当たり前」でも相手にとってはそうではないかも。
ちなみに、
・「アルゼンチン代表」はサッカーのアルゼンチンという国の代表チーム。
・「バルセロナ」はスペインにあるサッカーのチームでたくさん有名な選手、上手い選手がいるチム。
・「バロンドール」は世界中のサッカー選手で誰がその年に一番すごかったかを決める、賞のこと。
話していることが、相手が持っている情報・知識とつながってないから
これは、あなたが話をしていることと相手の知識との間にみぞがある場合。その場合は、相手の知っていることを知って、あなたが伝えたいことまでどう到着してもらうかってことを考えることが必要です。
伝わる話し方
○相手の頭のなかにあるもので表現する
○相手の持っている知識と自分が伝えたい知識との間に階段をつくる。
○一般的なもので例える。
相手の頭の中にあるもので表現する
先にも書いたように人間が「わかる」ってなるためには、自分が持っている知識とのつながりが大事です。
「じゃあ相手に勉強してもらえばいいじゃん!」って意見があるかもしれないんですが、基本的に人間は自分が基準。
自分が「なんでわかってくれないんだー」って思ってるのと同じように、相手も「この人の話ってわかりづらいよな…」って思ってます。そこはお互い様なのかなと…。
だから、人に変化を求める前に自分のほうを変化させたほうが確実なんじゃないかと思うので、相手のことを想像することを僕はしています。
相手の頭の中のもの。たとえば、言葉とか経験とか。それらを使って、自分の言いたいことを表現できないか考えてみる。
もちろん相手の頭の中をのぞくことは実際にはできないので、想像したり、相手を知ろうとすることが必要になってきます。
相手の持っている知識と自分が伝えたいこととの間に階段をつくる
これは『東大院生が7つの型で教える 神わかり! 頭のいい説明力』(犬塚 壮志,PHP文庫)に書いてあったことです。
自分の伝えたいことと相手の持っている知識との間に差がある場合には、それを埋めることが必要です。そしてそのためにはまず相手の持っている知識がどの程度なのかということを知ることも必要です。相手を観察することからも知ることは可能かと思いますが、質問できる場合には聞いてしまうのも1つの方法。
たとえば、誰かにサッカーのルールの一つである「オフサイド」の話をするとき。
まず、「『オフサイド』ってどういうものか知ってる?」と聞いてみる。そこで、「聞いたことあるけどよくわかんないんだよね」と返ってきたら、言葉は聞いたことあるし、そういうシーンもみたことがあるかもしれない。でも概念とか、どういう場合に「オフサイド」になるかがわかってない。そういう場合には、実際のシーンを見せながら説明すれば伝わるかもしれない。
でも「オフサイド?何それ?」って返事が返ってきた人にはまず、そういうルールがあることから話しをしたほうが伝わりやすいかもしれない。「サッカーに『オフサイド』っていう反則があってね…」と。
そんな感じで、相手を観察したり、質問したりしていくなかで、相手の持っている知識を探って、その相手がどんな階段を登っていったら、理解がしやすいかを見つけれるといいと思います。
一般的なものでたとえる
これは、たとえば、「小学校や中学校を卒業した、経験した人なら誰でもわかること」とか「普段の生活の中で誰もが経験すること」など、相手に聞かなくとも多くの人が持っているであろう知識、知っている言葉を使うようにするのも1つです。
よく「小学生でもわかるように説明しましょう」と言われるのは、それぐらいわかりやすくってこともあると思いますが、小学生で(学校で)身につける知識は、多くの人が持っていると想定できるからです。
相手の持っている知識や知っている言葉がわからない場合には、このように「誰でも知っていること」でたとえることも必要かもしれません。
まとめ
○話を伝えるには相手のことを考える。想像してみる。
○自分の話と相手の頭のなかとを繋げられるように工夫してみる。
参考図書
『東大院生が7つの型で教える 神わかり! 頭のいい説明力』(犬塚 壮志,PHP文庫)
『もう、その話し方では通じません。(Kindle版)』(藤原和博,中経出版)