『英文法再入門 10のハードルの飛び越え方』(澤井康佑、中公新書)を読んだ感想をメモ。
○大人になってから使う英文法の参考書って何がいいかな。
○英文法を学ぶと何に役立つんだろう
といった疑問がある人には参考にしてもらえれば嬉しいです。
この記事を書いている僕はポルトガル語を独学で勉強し、通訳として働いています。英語は仕事として使っているわけではないですが、外国語学習が好きなので勉強しています(TOEIC795点)
ポルトガル語を使うなかで、改めて「文法って大事だよな」と。
それは英語においても同じだと思ったので、英文法を改めて勉強するため、新書で読みやすそうなこの本を購入しました。
本の紹介
英文法の誰もがつまづきそうなポイントを、講義形式で書いている本で、改めて文法を勉強し直すときの参考書の入門として読みやすいのではないかと思います。
文法の練習問題はほぼないので(例題で章の最初に出てくるくらい)、問題を解いて知識を定着させたい場合には、この本とは別の本で勉強を進めていくと良いです。
本の第1講にある「本書の目標」と言う部分が、この本の立ち位置をわかりやすく表現しているので、引用させてもらいます。
…皆さんはこれまでの学校生活で,何百,何千という回数の英語の授業を受けてきています…現在の皆さんの英語力を飛行機にたとえると,「飛べないものの,機体の多くのパーツは存在している」という状況だといえます…あとはそれぞれの部分を修理し,足りないパーツを補えば,とりあえず飛べるようになります…これが本書の目標です…」(「本書の目標」p9,10)
そして、この「飛べるようになる」の具体的な説明にあたる部分が
「英会話,英作文,英文読解,英文法,いずれのジャンルの書籍や講座も,上級のもの以外は主体的に取り組むことができる.」(p10)
英文法を改めて勉強するために、分厚い参考書を買うことも一つの選択だと思いますが、この本を読んで興味がさらに沸いたら、次に進んでいくのでもいいのではないでしょうか。
実際に読んでみて
この本を読んで一番良かったのは、自分の勉強してきた知識を思い出したり、確認することができたことです。
英文法の知識としては、高校での勉強を最後に、ほぼほぼ勉強していなかったので、知識が曖昧になっていた部分がありました。
覚えた知識を改めて思い出す、加えて新たに説明を聞くことで、「(高校の時の説明は)そういうことだったんだ」って体験ができたことが良かったです。
本のおもしろかったところ
第3講では「5文型」について書かれています。
みなさんは5文型って覚えてますか?
SVとか、SVOとか、SVCとかってやつです。
僕は高校の時に、めちゃくちゃ問題を解いた覚えがあります。
英文をカッコで区切りながら「これが主語で、この部分は主語のことを表しているからS=Cで、SVCだ!」みたいな。
そんな5文型のことを、著者の澤井さんは「日本語→英語変換マシーン」といっていてそれが興味深かったです。
どういうことかというと、古典の授業で「漢文」の授業ってのがあったと思います。
あの授業の中で、中国で生み出された文章、漢字ばっかりの文章をどうやって読み解くかっていろんなやり方を勉強したと思います。
「レ点」とか、「一二点」とか。
あれは「漢文」をなんとか読み解こうと昔の人たちが研究して生み出したシステムだと本の中でかいてあって、それと同じく英語の5文型は「英語」を読み解くためのシステムだということ。
英文の中の、それぞれの単語をどの順序で訳すか、なんと訳すかを判断するための方法が、5文型ってことです。
もしかしたらどこかですでに勉強していて、自分が忘れていただけなのかもしれないけれど、改めて、なんのために5文型を勉強するのかということが自分の中で整理されました。
もちろん修飾語とか、受動態とか、シンプルな5文型だけでない変化がありますが、基本の骨組みを、5文型を使って判断できれば、それぞれの単語の繋がりが理解しやすくなります。
本から学んだことのメモ
○5文型学ぶことは、英語を日本語に変換するときの型を知ること。
○英文法を学ぶことで、文のなかでそれぞれの単語がどんな働きをするかってのを理解できる、推測できる。
○英単語をただ単に暗記するだけでなく、文中での働きと合わせて覚えると、より使いやすくなる。