外国語を勉強している人と話をしていて結構でてくるのが「失敗するのがこわくて…」と言う話。
この記事では、その「失敗」について知っておきたい考え方を書いていきます。「外国語を話してみる」というチャレンジを少しでも勇気を持ってできるようになるためにぜひ知っておいてほしいことなので
外国語を話すのはみんなこわい
「外国語を話すこと」これは、日本人が外国語を話すことに抵抗があるってことじゃなくて、僕の友達の外国人も「日本語を話すとき失敗するのがこわい」って言ってたので、外国語を勉強する人あるあるなのかなと思います。
これを書いているぼくも、いまでこそポルトガル語を話し、通訳をしているけど、最初ブラジルに行ったときは「これで合ってるかな、文法へんじゃないかな」って不安を毎日感じていました。ブラジルにいて、しゃべらないと生活できない状況であったにもかかわらず、やっぱり失敗が気になっていたので、日本にいて「話す必要がない」なかで外国語を使うことへの抵抗はやっぱり大きいと思います。
でももし、いまあの時の自分に言えることがあるとしたら、それは、できないのが当たり前なんだから、やったらやった分だけ上手くなるよ、ということ。
外国語を学ぶということは、全く新しいものを学ぶこと。だから、上手くできなくて当たり前。うまく喋れなくて当たり前。もしかしたら、英語の場合、学校で勉強してきたから、それらをうまく使えないのは恥ずかしい…てのもあるかもしれないんですが、よく考えてみると、学校でそんなたくさんに「英語を喋る時間」ってありました?(少なくとも僕の頃にはなかった)
だから、学校で勉強してようがなにしようが関係ない。
「しゃべりたい」と思って勉強し始めた、そこがスタートと考えていくといいです。
証明マインドセットと成長マインドセット
でここからは「失敗」についての考え方の話。ここでは2つのマインドセットについて書きたいと思います。
○マインドセットというのは、物事を考える時のくせ、特徴のようなもの。外国語をしゃべることへの不安を減らすためには、このマインドセットを変えていけるといいです。
本、『やる気が上がる8つのスイッチ コロンビア大学のモチベーションの科学』(ハイディ・グラント・ハルバーソン ディスカヴァー・トゥエンティワン社 )のなかで紹介されているこの「証明マインドセット」と「成長マインドセット」。
○「証明マインドセット」とは、自分がどれだけできるのか、能力があるのか、ということを証明することに力を注ごうとする考え方で、それゆえに、「…自分と他人をいつも比べています。」(著書より引用)とのこと。
外国語を話すときで言えば、「あの人はこれくらい喋れるのに」とか「知識が”ちゃんと”ついたらしゃべろう」というのは、この証明マインドセット的な考え方なのかなと。他人や、しゃべれている(理想の)自分と今の自分をくらべているため、足りない部分に目がいってしまい、不安が大きくなっている。
○「成長マインドセット」は、自分が成長していくことを重要視している考えかた。今それができるかどうか、というより、自分がよりよくなっていくことを目指している。僕はこの「成長マインドセット」のほうを持っていたほうが外国語をしゃべるというときには、役にたつと思います。
それは、最初はぜったいしゃべれないから。
「当たり前じゃん、だからしゃべれるようになりたいんじゃん」って思われたかもしれません。でも、意外と勉強を頑張ってやっている人に多いのが、ある程度知識があるからこと「今しゃべれるか?知識を使えるか?」ってことを考えすぎてしまうこと。
大切なのは「今しゃべれるかどうか」を「証明」するのではなくて、しゃべれるようになろうと「成長」していくことだと思います。
なので、この成長マインドセットを持てると、たとえうまくしゃべることができなくても、「次はしゃべれるようにしよう」とか「どうすればよかったかな」と、うまくいかなかったことも、成長の材料にできるようになります。
自分の経験
以前、僕がよく行っていたイタリア料理屋で外国人のお客さんとそのお店の人とが、うまくコミュニケーション取れてなかったので、助けに入ったときや、草サッカーをやるときに外国の人が来ていて、「これは英語を使うチャンス」と、しゃべってみたときがありました。
正直、全然自分の理想の「しゃべれている」とはほど遠く、緊張したけれど、2つの経験で、英語を使ってコミュニケーションを取ることは達成できたとかんがえています。もちろん、「ちゃんと」喋れていたわけではないので、さらに勉強は必要ですが、自分が少しでも、「達成できた!」と思えることが大切で、その経験があるからこと、嫌にならずに、学ぶ続けることができます。
それに、ポルトガル語に関しても、まだまだわからない単語はあるし、辞書を引くこともほぼ毎日。もちろん辞書がいらないくらいになりたいけれど、そこを目指しつつも、毎日、昨日よりどのくらい自分が勉強できたか、何を覚えたか、何を言えたか、ってのを意識しながら、常に成長していこうと思ってます。
成長マインドセットに切り替えるために
「成長マインドセット」に切り替えるためには、「ことばを変える」方法があります。
「学び」「改善」「発展」「成長」といったことばをつかうことで、成長を意識した考え方をすることができるようになります。
具体的に、どういうときにそれをつかうのか?というと、本では、「自分のやりたいことを書き出す→成長を意識させる言葉に言い換える」というやり方が紹介されています。何か目標を作るときに、この成長を意識した言葉を使って作り、成長マインドセットを持って、目標と向き合えるようにするということ。
たとえば、「英語を話せるようになりたい」のであれば、それを成長を意識させる言葉で書き換えてみる。
僕がやるとしたら、
「私は英語を話すことができるための方法を学びたい」とか、「うまく英語を話せるためのスキルを身に付けたい」といった感じ。
こうすることで、単に「話せるようになる」という文から、「そのために学ぶ」「そのためにスキルを身につける」という文が生まれました。そうすると、今しゃべれるかどうかではなくて、どうなっていきたいかというところに自分の意識がを向けることができます。
そう考えることで、たとえ失敗や間違いがあったとしても、それらは「学び」のひとつであり、自分の成長のためであると捉えることができます。
たぶん僕も含め、多くの人が、頭では分かってる「まずやってみないと」ってこと。だけど、実際にその場(しゃべるチャンス)になってしまうと、一歩踏みとどまってしまう。そんなときに、この成長マインドセットの考え方を思いだして、「これは学ぶためのチャンスだ」「やってみて改善しよう」と思えると良いです。
大事なのは結果をだすこと
自分への自戒の意味も込めてここでメモしておくと、「大事なことは、結果を出すこと」と言えます。 このことばは、多くの場合「(良い)結果を出すことが大事」と捉えられている気がしますが、僕が言いたいのは、よくない結果もふくめての「結果」。
うまくいった「結果」か、うまくいかなかったか「結果」かはわからないけれど、もし、うまくいったなら、上手くいく方法が見つかったってことだから続ければいいし、うまくいかなかったなら、次はうまくいくようにするだけ。どっちにしろ成長のための材料を得ることができる。やったら必ず得るものがあるけど、恐れて何もしなかったとしたら、なにも得ることができません。結果、そのやり方ではうまくいかないことにも、気づけないし、うまくいくということにも気づけない。
だから、大切なのはよりよくなろうとする、成長マインドセット。
おわりに
僕がブラジルに行ってたとき、「ポルトガル語をしゃべれるようになった!」と実感できたのは「しゃべること」をたくさん練習してから。それまでは、文法とか単語とかをやっていたけれど、しゃべるトレーニングはしてなかった。
そのとき、「しゃべることでしか、しゃべることはうまくならないんだなー」と、今思うとあたりまえなことを思ってました。不安もある。けど、やったら必ずプラスになる。